藍鼠

@ainz_fav
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No.4849
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巣穴🐺彰こは、最初に書いてた部分入れるところなくなったから供養


***

 彰人が独り暮らしを始めてからというもの、彼と交わす別れ際のあいさつはいつも同じだ。
 彰人がこはねをぎゅっと抱きしめて、また明日、を告げる。
 こはねはそれを聞きながら彰人の背に手を添えて、同じ言葉を返す“いつもの”流れ――に、なるはずだったのに。
 するりと腰に回された左手と、首の後ろを掠めた右手の指に身体が跳ねる。
 頭上から微かな笑い声が聞こえたかと思えば、彰人の頭が擦り寄せられて頭に巻いた布がずれるのがわかった。

「――こはね」

 こめかみのあたりで発せられた囁き声はこはねの思考力を奪い取り、体温を上げる。こはねはなにも考えられないまま彰人の服を握りしめてぎゅっと目を閉じた。
 昨日までと違う。別れ際のハグは、こうではなかったはずだ。
 今日の彰人の手つきや声はねっとりと絡みつくようで、雰囲気に呑まれたせいかこはねの心臓はどくどくと激しく脈打ったまま落ち着かない。
 このあとに続くであろう『また明日』を聞くために身じろぐと、腰に回された手の力が増して再度「こはね」と名を呼ばれた。
 反射でびくりと跳ねつつ、呼び声に促されるまま視線を上げる。彰人はふっと息を吐くと嬉しそうに目を細め、こはねと額を合わせた。
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