藍鼠 @ainz_fav 360日前 吸血下手くそこはねちゃん として書いてたやつの没バージョン(たぶん)が出てきたんだけど、読み返してこれは別の短編にできるのでは?ってことでちょっとネタメモとして残しておく彰人くんがお休みの日にサッカー部の助っ人してる(進級前)ところへ、杏ちゃんがこはねちゃん連れてきたとこまでパラレル要素はない。彰←こはでこはねちゃんの気持ちはバレてる書いてたときのことを覚えてないけど、読み返した感じ彰人くんは察してた#彰こは 続きを読む***「彰人ー! 休憩だってさー!」「おー」 トン、と蹴り上げたボールを受け止めてボールかごへ放り投げた彰人は、突然横から突き出されたタオルに驚きながらのけぞった。 彰人へタオルを向けてくるこの人は、確か二年生のマネージャーだったはず。「東雲くん、今日は助っ人ありがとう! これ! 使ってください!」「……ありがとうございます。でも自分の持ってるので大丈夫です。気持ちだけもらっておきますね」 笑顔で穏やかに断りを入れ、彰人はタオルを頭にかぶせつつベンチへと座り込んだ。 休日ではあるものの、本日の彰人はサッカー部の助っ人として学校へ駆り出されている。他校との試合に向けたシミュレーションがしたいだとかで、対戦相手として練習に参加していた。 助っ人を頼まれた時点で即OKを出したのは、最近やたらと頭を使うことが多かったからだ。思いきり身体を動かしたい気分だった。 ──東雲くん。 「うお!? な、なんだよ彰人、急に振り向くなよな……」「……悪い」 こはねに呼ばれたような気がしたのだが、休日とはいえここは神高なのだから彼女がいるはずもない。幻聴とは──気にしすぎていよいよヤバいレベルに達している。「なあ、ファンサはしねえの?」「は?」 ちょいちょい、とフェンスの外を指されたことで意識すると、ギャラリーの姿がちらほら見える。ファンサと言われたところで、今まで助っ人中にそんなことをした覚えはないし、ここはステージの上でもない。そんなことをする気力は湧かなかった。「おーい、彰人ー!」 ガヤガヤと賑やかしになっていたギャラリーをものともせず、通りの良い声に呼ばれる。彰人は歪みそうになった表情をタオルで隠し、なんでいるんだ、と口から出かかった言葉を飲み込んだ。 白石じゃん、と傍らの友人が先に動くのを視界の端に捉えながら、渋々腰を上げてあとを追う。杏のことだから、彰人が動くまでは呼ばれ続けそうだったからだ。「補修か?」「ちょっと! 第一声がそれってどうなの!? それよりほら! こはね可愛くない!?」「なんの話――」「あ、杏ちゃん……」「……は?」 神高の制服を着ているが、杏にぴたりとくっついて隠れるように縮こまっているのは、間違いなくこはねだった。畳む favorite ありがとうございます!
彰人くんがお休みの日にサッカー部の助っ人してる(進級前)ところへ、杏ちゃんがこはねちゃん連れてきたとこまで
パラレル要素はない。彰←こはでこはねちゃんの気持ちはバレてる
書いてたときのことを覚えてないけど、読み返した感じ彰人くんは察してた
#彰こは
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「彰人ー! 休憩だってさー!」
「おー」
トン、と蹴り上げたボールを受け止めてボールかごへ放り投げた彰人は、突然横から突き出されたタオルに驚きながらのけぞった。
彰人へタオルを向けてくるこの人は、確か二年生のマネージャーだったはず。
「東雲くん、今日は助っ人ありがとう! これ! 使ってください!」
「……ありがとうございます。でも自分の持ってるので大丈夫です。気持ちだけもらっておきますね」
笑顔で穏やかに断りを入れ、彰人はタオルを頭にかぶせつつベンチへと座り込んだ。
休日ではあるものの、本日の彰人はサッカー部の助っ人として学校へ駆り出されている。他校との試合に向けたシミュレーションがしたいだとかで、対戦相手として練習に参加していた。
助っ人を頼まれた時点で即OKを出したのは、最近やたらと頭を使うことが多かったからだ。思いきり身体を動かしたい気分だった。
──東雲くん。
「うお!? な、なんだよ彰人、急に振り向くなよな……」
「……悪い」
こはねに呼ばれたような気がしたのだが、休日とはいえここは神高なのだから彼女がいるはずもない。幻聴とは──気にしすぎていよいよヤバいレベルに達している。
「なあ、ファンサはしねえの?」
「は?」
ちょいちょい、とフェンスの外を指されたことで意識すると、ギャラリーの姿がちらほら見える。ファンサと言われたところで、今まで助っ人中にそんなことをした覚えはないし、ここはステージの上でもない。そんなことをする気力は湧かなかった。
「おーい、彰人ー!」
ガヤガヤと賑やかしになっていたギャラリーをものともせず、通りの良い声に呼ばれる。彰人は歪みそうになった表情をタオルで隠し、なんでいるんだ、と口から出かかった言葉を飲み込んだ。
白石じゃん、と傍らの友人が先に動くのを視界の端に捉えながら、渋々腰を上げてあとを追う。杏のことだから、彰人が動くまでは呼ばれ続けそうだったからだ。
「補修か?」
「ちょっと! 第一声がそれってどうなの!? それよりほら! こはね可愛くない!?」
「なんの話――」
「あ、杏ちゃん……」
「……は?」
神高の制服を着ているが、杏にぴたりとくっついて隠れるように縮こまっているのは、間違いなくこはねだった。
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