Vischio

Realize 没ver.


「東雲くんがいてくれてよかった」
「それイベントの時とかよく着てるやつだからな。目立ちたくねえならキャップ外せ」
「うん」
「…………」
「上も脱いだほうがいい?」
「いや…、ちょっとこっち」
「どこいくの?」
「教室」
 
 《1−C お化け屋敷》
「なあ白衣余ってたよな、あれ貸してくれ」
「なんだよ東雲、宣伝でもしてきてくれんの?」
「そんなとこ」
「じゃあこれも貸しちゃる、マッドサイエンティスト用眼鏡。怪しさ増量仕様」
「こんなん作ってたのかよ……こはね、行くぞ」
「うん」
「えっ、誰、彼女!?」
「…………ちげえ」
「声ちっさ!!」
「お前は声がでかいんだよ! いいから仕事しとけ」
 
 《生物室》
「外で眼鏡かけるの久しぶりかも」
「そういやお前最初は眼鏡してたな……それ前見えてんの?」
「大丈夫、見えるよ。どうかな」
「…………髪おろせば、まあ…見られる、か?」
「クセついちゃってると思うけど」
「直してやるからゴム外せ」
「東雲くん器用だね」
「普通だわ。痛かったら言えよ」
「うん」
 
「ん。こんなもんだろ」
「わあ……いつもよりサラサラな気がする。ありがとう東雲くん!」
「別に。んじゃ行くぞ」
「あっ、荷物、自分で持つよ!」
 
 ──こはね、こっちの用事終わったよ! ちゃんと教室までいけた?
「あ! ……東雲くん、ここどこ?」
「生物室前」
「せいぶつ、しつ、」
「それもう電話したほうが早いだろ」
 
「杏ちゃん!」
「お待たせー! どうしたのその格好、さっきと違うじゃーん」
「ふふ、くすぐったいよ杏ちゃん。東雲くんから借りたんだよ。髪もやってもらったんだ」
「へえ……彰人がねえ」
「なんだよ」
「色々、聞きたいことはあるけど……とりあえず、こはねの写真撮っていい?」
「え!? あ、あの…杏ちゃんも、一緒がいいな」
「こはねー!! んじゃ彰人、お願い」
「しょうがねえな……ここでいいのかよ」
「オッケー。こはねの眼鏡オンオフどっちもよろしく」
「へーへー」
「あの、東雲くん!」
「どうした?」
「えっと……東雲くんのことも、撮っていい?」
「どうせならこはねも入りなよ。私撮るからさ! その衣装、彰人のとこのなんでしょ?」
「……一枚だけな」
「うん!」

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