カラクリピエロ

土井先生と生徒夢主ネタ


※は組入学直後




「土井せんせー!」

授業終了の鐘の音と共に板を外して落下する。
先生の背中にダイブする予定だったのに、先生が一歩左に動くから失敗に終わってしまった。

名前、天井の板ちゃんと戻しておくんだぞ」

では今日はこれで終了、と一年生に向かって声をかける先生の腕にしがみつこうとして、それをサッと避けられた。

「そんなに照れなくてもいいじゃないですか!」
「照れとらん。……はぁ……またサボりか?」
「違います、私にはこれが課題なんです」

暗に山本シナ先生も了承済みだと告げると、土井先生はもう一度溜息をついた。
そんな憂い顔も素敵!

勝手に緩む口元を隠してじっと観察していると、いつの間にか土井先生ともども一年生に囲まれていた。

「土井先生、こちらの…えっと、くのたまのお姉さんは…」

丸めがねの少年が私を示すように手のひらを上に向けて尋ねる。ナイス質問です少年!
土井先生が私を見て難しそうな顔をするから、それなら代わりにと一つ咳払いをするとたくさんの目に注目されて少し驚いた。

「くの一教室、苗字名前です。近々土井名前になりもがっ」
「…………名前はこのまま私と来るように」
(先生とならどこへでも!)

口は先生の手で塞がれたままだったけど、言いたい事は伝わったらしい。
先生はぽっかり穴の開いた天井に目をやって、悪戯しないようにって注意してから私を抱えて教室から出た。

「一年生に嘘を教えるな」
「嘘じゃなくなるから大丈夫です」
「…その自信はどこからくるんだ全く…」
「土井先生、溜息つくと幸せが逃げるって言いますよ。あ、でも私が捕まえていっぱい先生にあげれば問題ないですね。とりあえず結婚しません?」
「その前に口を閉じなさい」
「え、こんな廊下でナニする気ですか土井先生の助平!」
「…………」
「いったーーーー!!?せ、せんせ、せめて面で…!」

土井先生は無言で出席簿の細いほうを頭に落とした。冗談だったのに!

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