私の恋を~の三郎君へ/ヒロインさんに一度くらい素直に好きだって言ってくれませんか?畳む
名前「“一度くらい素直に好きだって言ってくれませんか”──ほら三郎!」
鉢屋「言わなくても、わかるだろ」
(名前の視線に堪えきれず目を逸らす鉢屋)
名前「……私だって、ちゃんと聞きたいとき、あるよ」
鉢屋「…………」
名前「…………(じっ)」
鉢屋「……………………後ろ」
名前「?」
鉢屋「後ろ向け」
名前「なんで」
鉢屋「いいから!」
(ぐるん、と強引に名前の向きを変えて抱き締め)
名前「ちょ、ちょっと」
鉢屋「一度しか言わないからな」
名前「うん」
鉢屋「……………………好きだ」
(ビクッとして振り向こうとした名前を押さえ込み)
鉢屋「私は…名前が、好きだ」
名前「さぶろ…苦しいよ」
鉢屋「…我慢しろ」
名前「っ、う、ん……」
鉢屋「!? おい、なんで泣くんだ」
名前「だ、だって、」
鉢屋「こら、私の袖を使うな馬鹿!」
名前「だったら離し──!?」
(名前の顔を胸元に押し付け)
鉢屋「……お前最近涙腺緩いんじゃないか」
名前「そんなこと、ない…」
鉢屋「いいや、あるね」
名前「三郎」
鉢屋「なんだ」
名前「好きだよ」
鉢屋「──知ってる」
答03.鉢屋
621文字 / 2011.07.20up
edit_square