久々知くんへ/もしヒロインちゃんに別れよう(嘘)と言われたらどうしますか?別れの理由が五年の誰かを好きになったとしたら?畳む
※途中まで微妙に暗いです
黒木「もし苗字先輩にお別れを告げられたらどうしますか?」
久々知「ありえない…」
鉢屋「まあそれは私も同意見だが……お前、それ逃避で言ってるだろ」
黒木「…………」
(様子の痛々しさに言葉がでない庄左ヱ門)
鉢屋「庄左ヱ門、まだ何かあるな?」
黒木「あの、でも、これは…」
鉢屋「いいから見せてごらん」
黒木「……はい」
鉢屋「ふーん……これは中々手厳しいな……」
久々知「……なんだ?」
鉢屋「名前が別れを言い出した理由だ。聞きたいか?」
(無言で頷く久々知)
鉢屋「名前が五年──恐らく私たちの内の誰かを好きになったから」
久々知「…………」
黒木「は、鉢屋先輩…」
(ポンポンと庄左ヱ門の頭に手を置きつつ)
鉢屋「は~…ただの例え話でここまで落ち込めるのはある意味尊敬するな」
久々知「俺は、嫌だけど………………名前が俺といて辛いなら、受け入れようと、思う」
鉢屋「物わかりが良すぎる」
久々知「よくないさ。全然…でも、これって、名前もすごく辛いんじゃないかって……」
鉢屋「ありえない話にどこまで乗っていいものか迷うが……確かに、兵助に別れを告げた後はどこかに消えそうだよな」
久々知「うん……名前が居なくなるくらいなら、別のやつが好きでもいいからって、引きとめることも考えたけどさ。そうしたら、名前は…余計、苦しむ気がする……」
鉢屋「…………庄左ヱ門」
黒木「は、はい」
鉢屋「名前を呼んで来い。もう私たちではどうにもならん」
黒木「わかりました」
鉢屋「兵助、お前が妄想に溺れて落ち込むのは勝手だけどな、あくまでもこれは例えなんだからな?」
久々知「ありえない話じゃないだろ」
鉢屋「ありえない話なんだよ!!」
黒木「は、鉢屋先輩!!」
名前「しょ、庄左ヱ門、ちょっと、待って」
(庄左ヱ門に手を引かれて走りっぱなしだったので息切れ中)
鉢屋「よし庄左ヱ門、私たちは退散だ」
黒木「はい!苗字先輩、あとお願いします!」
(名前に紙を握らせて鉢屋と共に退散)
名前「はぁ~……疲れた……何お願いされたんだろ。久々知くん知ってる?」
久々知「名前」
名前「ん?あ、ごめん、ちょっと待って。今読んじゃうから」
(無言で思い切り抱き締め)
名前「わっ、ななな、なに?どうしたの?」
久々知「俺のこと、好きか?」
名前「ええぇ!?そ、それは、もちろん!!」
久々知「…………名前」
名前「…?──好きだよ、困っちゃうくらい」
久々知「……もっと聞きたい」
名前「え…あの、ちょっと待って、心の準備させて」
答44.久々知
1248文字 / 2011.07.22up
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