カラクリピエロ

答22.五年

5年生へ/主人公が疲れていたり、人知れず悩みを抱えていたらどんな風に慰めますか?畳む

黒木・乱太郎「「こんにちはー」」

鉢屋「庄左ヱ門に、乱太郎…と、それは…」

(よいしょ、と骨格標本を運び入れる乱太郎)

乱太郎「伊作先輩のコーちゃんです。先輩から借りてきました」

不破「うん…で、なんでくのたまの制服着てるの?」

黒木「それはですね、こちらです。“苗字先輩が疲れていたり、人知れず悩みを抱えていたらどんな風に慰めますか?”ということで、こちらのコーちゃんを」

久々知「…………まさか、名前に見立てろっていうのか」

尾浜「こんな骨になるまで悩まなくても…って嘆くのはあり?」

黒木「なしです」

尾浜「庄左ヱ門冷たいな!」

竹谷「さすがにこれを名前としてって…キツイんじゃないか」

黒木「だめですか…ごめんね乱太郎」

乱太郎「どうして謝るのさ。それより使わないなら早く脱がさないとコーちゃんの臭いがついちゃうかも」

不破「僕も手伝うよ。ん、庄左ヱ門この制服って……」

黒木「あ、苗字先輩のです。雰囲気でるかなと思って」

鉢屋「よく貸したな…」

黒木「汚したり破いたりしないなら、って条件で貸してもらったんです」

尾浜「名前は一年に甘いからなぁ」

竹谷「兵助、パクろうなんて思うなよ」

久々知「するわけないだろ…」

尾浜「まぁそれはそれとして、名前をどうやって慰めるかだったよね。どう八」

竹谷「いきなり俺かよ!…………兵助に任せる」

尾浜「八左ヱ門ってつーめたーい!っていうか普通に考えてなしだろそれは」

鉢屋「だからモテないんだお前は」

竹谷「なんッだよ、じゃあお前らはどうなんだ!!」

(尾浜と鉢屋を交互に指差し)

鉢屋「気づかなかったことにする」

竹谷「似たようなもんじゃねぇか」

鉢屋「名前は私に慰められても喜ばないだろ。むしろ余計疲れる、放っておけって切れるのが落ちだ」

久々知「それは三郎が名前の神経を逆撫でするからだろう」

鉢屋「なら普通に慰めていいのか?兵助にも言えないなら聞いてやるから言ってみろ、と傍にいていいのか」

久々知「……お前はどうしてそう、」

尾浜「まぁまぁ。とりあえず八はやり直し」

竹谷「あー……えー……飼育小屋まで引っ張ってって、犬の群れにつっこませる。で、もみくちゃになって気が済んだ辺りでまた様子を見てみる…かな。言いたくなったら言うだろうし、すっきりするかもしれねぇし……名前はあんまそういうとこ見せねぇから、これくらいしか思いつかないぞ」

尾浜「八はアニマルセラピーを使う、と。三郎は“傍にいる”だったよね」

鉢屋「私から特に働きかけたりはしないからな」

尾浜「わかったわかった」

(庄左ヱ門のメモに代わりに書きつけ)

尾浜「雷蔵はどう?」

不破「あ、もう僕の番?」

(一年二人と一緒にコーちゃんに六年の装束を着せている最中)

尾浜「おれが先でもいいよー」

鉢屋「兵助は最後か」

尾浜「そのほうがいいかなって」

久々知「変なプレッシャーかけないでくれ…」

尾浜「おれは“話を聞いてあげる”、かな。っていうかそれとなーく言えるように誘導するかも。名前ってけっこうポロッとこぼすこと多いしさ、それをこっちから拾って繋げてつきつける」

竹谷「おい最後なんだ」

尾浜「いや、逃げ場なくしちゃえば吐き出すしかないじゃん」

久々知「聞いてあげるというか、尋問みたいだな…」

尾浜「あは、近いかもね。雷蔵の番だよ」

不破「わかった。はい、これ名前の制服。ちゃんと返すんだよ」

一年「「ありがとうございます不破先輩」」

黒木「尾浜先輩もすみません、代わっていただいて」

尾浜「いいっていいって」

不破「うーん…そうだなぁ…誰かと被ってると思うけど、名前が話し出すのを待つかな。お茶とお菓子を用意してさ、“僕でよければ聞くから、話したくなったら話して”って。それとも名前には独り言でもいいよ、って言ったほうが効果的なのかな」

鉢屋「根気要りそうだな」

不破「そう?雑談したり本読んでればすぐだよ」

黒木「では久々知先輩お願いします」

久々知「…………普通に、抱き締める」

竹谷「それ普通じゃねぇから」

尾浜「すっごく親しくないと無理だから」

久々知「俺にとっては普通なんだよ。名前が話し出すまでそうしてるっていうのもありだし、話してほしいけど…………」

黒木「久々知先輩?」

久々知「名前が話さないままでも、追求はしないかもしれない。ただ、名前の言って欲しい言葉くらいは、言ってやりたいけど」

鉢屋「兵助も辛抱系ってわけか」

乱太郎「ねえ庄ちゃん」

黒木「ん?」

乱太郎「久々知先輩たちって苗字先輩がすっごく大切なんだね」

黒木「うん、そうだね。それに、コーちゃんじゃ駄目って言われたのもわかったよ」

乱太郎「ぎゅーってしても痛いだけだもんねぇ……」

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