久々知君/もし主人公が女子に告白されたらどうしますか?複雑な心境になりますか?また告白したのが女子ではなく男子だったら告白した男子にどんな報復をしますか?畳む
黒木「もし苗字先輩が女性に告白されたらどうしますか?」
久々知「…………」
黒木「読み間違いじゃありませんよ」
久々知「あ、そ、そう、なのか。女性…くのたま…が?名前に?え?」
黒木「だ、大丈夫ですか久々知先輩」
久々知「全く想像できない」
不破「そんな兵助のために僕が例をあげて説明するよ」
黒木「不破先輩…と、きり丸?」
きり丸「よぉ庄左ヱ門!」
久々知「なんで?」
不破「図書委員だから」
久々知「…それ理由になってるのか?」
不破「兵助、図書室はいろんな知識の宝庫だよ。庄左ヱ門も気が向いたらいつでもおいで」
黒木「はい、ありがとうございます」
久々知「……まぁ、いいやなんでも。それで?」
(ごほん、と咳払いをして後ろから紙芝居を取り出す不破)
不破「──とあるくのたま四年生(仮)は、なんらかの事件がきっかけで、名前に強い憧れを感じるようになりました」
久々知(なんか始まった…)
不破「名前と親しくなりたい(仮)子ちゃんは来る日も来る日も、名前を見かけるたびに「お姉様!」と積極的に声をかけるようになります」
久々知「それ名前にするのか?」
黒木「久々知先輩、そこはあまり重要じゃないと思いますが…」
不破「──また、名前も向けられる好意に満更でもありません。可愛い妹分ができたと喜び、自分を慕ってくる彼女を特別可愛がるようになりました」
久々知「…………」
黒木(久々知先輩が急に無言に……)
不破「そんなある日のこと、(仮)子ちゃんは名前と親しげに歩く男を目撃してしまいます」
(ピシャーン!と後ろで効果音を鳴らすきり丸)
黒木(……きり丸、このためにいたのか……)
久々知「その男って誰だ!?」
黒木「……久々知先輩ですよね?」
久々知「え、あ、俺!?」
(頷くきり丸と庄左ヱ門)
不破「──名前があの男を見つめるとき、その瞳には明らかに違う色が浮かんでいました。名前が愛しげに見つめるあの男が憎い!あの男さえいなければ──」
(きり丸がちょいちょい装束を引き、声をひそめて)
きり丸「不破先輩、それじゃ話がややこしくなりますって…」
不破「ああそうか…ええと……つまり、今のままでは満足できないと考えた(仮)子ちゃんは名前への告白を決意しました」
久々知「雷蔵、いきなり適当になったぞ…」
不破「(無視)(仮)子ちゃんは、名前を呼び出し、想いを口にします。“苗字先輩が好きです、せめて妹として特別にしてくれませんか”──と。さて兵助、どう思う?」
久々知「だめに決まってるだろ!名前が頷きそうでも止める」
不破「……というわけで庄左ヱ門、質問の答えは“複雑どころか嫉妬丸出し”だね」
黒木「はい」
不破「きり丸、手伝ってくれてありがとう。はいこれ」
きり丸「ありがとうございます!」
黒木「なに?」
きり丸「食券だよ、おかず一品儲け~♪庄左ヱ門、一緒に飯行こうぜ!」
黒木「うん!っと、ごめんまだ──」
不破「庄左ヱ門、僕が代わるから行っていいよ」
黒木「でも、」
不破「いいからいいから」
(ひょいと紙を引き取って追い出しにかかる)
黒木「あ、ありがとうございます」
(騒ぎながら走っていく一年生を見送って)
不破「…で、そろそろもうひとつ聞いていい?」
久々知「なんだ」
不破「なんで落ち込んでるのさ」
久々知「心の狭さを実感してるんだ、放っておいてくれ」
不破「“告白したのが女子ではなく男子だったら、告白した男子にどんな報復をしますか?”」
久々知「……報復前提か」
不破「ふふ、前提だね。する?」
久々知「そうだな…名前を泣かせるような事態になったら考える」
答16.久々知
1687文字 / 2011.07.18up
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