ヒロインちゃんへ。久々知君の豆腐好きに関してどう思いますか?また、お豆腐作れますか?畳む
黒木「苗字先輩ってお豆腐作れますか?」
名前「いきなりだね庄左ヱ門。食べたいの?」
黒木「あ、違います、すみません先走っちゃいました」
(慌てたせいで見ていた紙をクシャリと握ってしまい)
黒木「わ、わ、」
名前「庄左ヱ門が慌ててるのは珍しいね」
(笑いながら庄左ヱ門の手から紙を抜き取る)
名前「久々知くんの豆腐好きに関してかー…」
黒木「嫌ですか?」
名前「うー……ん~……それがねぇ、複雑なところ。因みにお豆腐は作れません」
尾浜「へえ、意外」
名前「…勘右衛門くん、何しに来たの」
尾浜「おもしろそうな匂いをかぎつけて」
名前「意外っていうのは?」
尾浜「名前のことだから、兵助のために豆腐作りの技術くらい身につけてるんだと思ってた」
黒木「僕もです」
名前「…………考えたことはあるんだけどね」
黒木「やめたんですか?」
名前「(溜息)食堂のおばちゃんに教わろうとしたら“久々知くんの方が得意だよ!”って笑顔で言われて」
尾浜「教わればいいじゃん」
名前「ばか!」
尾浜「えー。庄左ヱ門、おれなんで罵られたの?」
黒木「わかりません」
名前「おばちゃんより久々知くんの方が上手ってことは久々知くんのお豆腐はすごくおいしいってことで、あきらかに自分の味の方が劣るのに「食べて♪」なんてできないでしょ!!それに、おばちゃんに相談したのは見てるだけで満足してたころだし、あっさり諦めたの」
黒木「久々知先輩ならどんなお豆腐でも喜びそうですが」
尾浜「だよなぁ」
黒木「そういうところが複雑なんですか?」
名前「え?」
黒木「さっき…」
(言いかける庄左ヱ門を遮って手を振る名前)
名前「違…わないかもしれないけど、久々知くんがお豆腐好きじゃなかったら、私たぶん久々知くんのこと好きになってないから、久々知くんがお豆腐好きなのは全然構わないの」
尾浜「は!?」
名前「でもねー、羨ましいなーってずっと思ってたんだ…お豆腐に嫉妬とか、すごく恥ずかしいんだけど……今でも、ちょっとするし」
(顔を赤くしながら俯いてつま先で地面を蹴り出す)
尾浜「いやいやいやいや、ちょっとどういうこと!?」
名前「だって久々知くんがお豆腐食べるときの顔!嬉しそうで、幸せそうで、お豆腐になりたいって思ったりするでしょ!?」
尾浜「一度もないからこっちに振られても困る」
黒木「……苗字先輩を見るときもそんな感じだと聞きましたが」
名前「誰に?」
黒木「伊助です」
尾浜「っていうか名前は見てて気づかないわけ?」
名前「かっこいいなぁって思う」
尾浜「……庄左ヱ門、ちゃぶ台持ってきて」
黒木「え!?なぜですか」
尾浜「思いっきり引っくり返したいから」
黒木「危ないから駄目です」
尾浜「庄左ヱ門が反抗期だ!名前のせいだ!」
名前「なんでよ!どう考えても庄左ヱ門が正しいでしょ!」
答08.夢主★
1340文字 / 2011.07.12up
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