久々知くん/両想い後の夢主ちゃんに名前で呼んでもらいたいとは思わないんですか?思ってるんなら、是非!呼ばせちゃってくださいvv畳む
黒木「あれ、久々知先輩だけですか?」
久々知「ん?俺に質問なんだよな?」
黒木「えーと…一応、苗字先輩も関わっているので」
久々知「見せてくれるか」
(素直に紙を渡す庄左ヱ門)
久々知「少し待ってて」
黒木「え、あの、久々知せん──行ってしまった…」
(名前の手を引きながら戻ってくる久々知)
久々知「ごめん、待たせた」
黒木「いいえ、大丈夫です」
名前「庄左ヱ門、楽しいことってなに?」
黒木「は?」
久々知「これから始まるから」
名前「なんだろ」
(うきうきしている名前とにこにこしている久々知を前に、どうしたらいいのか戸惑う庄左ヱ門)
久々知「庄左ヱ門はそれ読んでくれるだけでいいから」
黒木「はい…では、“久々知先輩は苗字先輩に名前で呼んでもらいたいとは思わないんですか?”」
久々知「思う」
黒木(即答された!)
名前「え…?」
黒木「え、ええと…“思っていたら、是非!呼ばせちゃってください”だそうです」
久々知「うん。よろしく」
名前「は……?え?た、楽しいこと…って…」
久々知「俺が楽しい」
名前「久々知くん!」
久々知「この際だからぶっちゃけるけど、いいかな」
黒木「は、はい…どうぞ」
久々知「俺は今になってあの時のことを後悔してるんだ」
名前「あのときってどれ…」
久々知「…………勘右衛門が言いだした、名前呼びの」(※こーるまいねーむ!)
名前「で、でも、あのとき久々知くん“無理しなくていい”って」
久々知「うん。だから今更って気がして言いだせないし、自分の言ったことを覆すみたいで癪……というかあの時は呼んだんだから今呼んでくれたっていいだろ」
名前「あのときは、だって、これ逃したら駄目かもって心境で」
久々知「そのくせ三郎はいつの間にかちゃっかり名前になってるし」
名前「ええええええ、それ今言っちゃう!?」
黒木「あの、お二人とも落ち着いて──」
名前「それは、学園長先生のお遣いでの名残で……庄左ヱ門だって知ってるよね?」
黒木「え、あ、はい。恋人同士になったときのですね」
久々知「あ?」
名前「わああ違う!違うの、フリだよ!!フリしたときに、三郎から指示されて、だから…」
(真っ赤になって半パニックな名前の手を取り)
久々知「それなら、本物の俺のことも呼べるだろ」
名前「久々知くんが本命だから照れるの!!」
久々知「っ、」
黒木(…久々知先輩まで赤く…)
久々知「…………じゃあ、一回だけ。今回だけでいいから…呼んでくれないか」
名前「~~~~ッ、……ほんと、ずるい……」
久々知「ん?」
名前「ちょっと、だけ、待って」
久々知「うん」
(名前深呼吸中)
黒木「なんだか…意外でした」
久々知「なにがだ?」
黒木「苗字先輩って気軽に名前呼んでらっしゃるような印象だったので」
久々知「…そうなんだよな。たまに後輩が羨ましいよ」
名前「──よし、いきます!」
久々知「ん」
黒木(そんなに気合いが必要なのか…というか、苗字先輩、さっきより赤いんじゃ…)
名前「……兵助、くん」
(感極まって名前を抱きしめる久々知)
名前「ちょ、ちょっと久々知くん、おち、落ち着いて!」
久々知「無理」
黒木「──では、僕は空気を読んで失礼しますね」
久々知「ああ、ありがとう」
名前「庄左ヱ門待って!」
黒木「大丈夫です、任務はこなしましたから!では!」
名前「ち、ちがう、そうじゃ…っ、」
(ブツリ、と音声は途切れている)
答05.久々知
1625文字 / 2011.07.12up
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