カラクリピエロ

答45.五年

5年生へ/忍者は演技力も必要ですよね。そこで課題として5年生全員、ヒロインちゃんに”愛の告白”をして下さい。久々知君は当然ヒロインちゃんをのぼせさせるのは確実だと思いますが、久々知君並みにぽーっとのぼせさせる事が出来たら学園からご褒美がでます。さて皆さんどうやって口説きますか?(久々知君は彼氏のプライドにかけて頑張って下さい)畳む

黒木「忍者には演技力も必要という名目で、五年生の皆さんに課題が出ました」

(ピラッと内容が書かれた用紙を掲げる庄左ヱ門)

尾浜「…………これって案外難しくない?」

竹谷「告白はひとまず置いといて、兵助並ってどういうことだよ」

鉢屋「私は楽勝だな!」

黒木「鉢屋先輩、変装禁止です」

鉢屋「な、庄左ヱ門!そんなのどこにも書いてないぞ!!」

不破「三郎としてがんばれってことでしょ」

鉢屋「変装は私の一部だ!」

竹谷「だからって兵助になるのはずるいだろ」

久々知「なにげに俺にもプレッシャーかかってるぞこれ……」

黒木「というわけで苗字先輩をお呼びしました」

名前「…………こんにちは」

竹谷「今回は本人か」

久々知「……」

尾浜「既に兵助が不機嫌だよ名前、なんとかして」

名前「私も逃げたいんだけど……っていうかこの課題おかしいよ!ぜったい!」

黒木「えっと、順番ですが、久々知先輩は最後がいいんでしょうか」

鉢屋「庄左ヱ門の冷静っぷりが際立っているな」

尾浜「頼もしいよねー、おれたちはじゃんけんでもする?」



不破「一番手って…うう……緊張する」

(胸元を握りつつ名前の前へ)

不破「お、お願いします」

名前「は、はいっ、おねがいします!」

不破「…告白告白…確か最近読んだ本に…」

名前「不破くん?」

不破「…名前

名前「はい!」

不破「──ぼ、僕は、……君が…す、すす、す、好きら!!」

名前「…………」

不破「…………」

名前「…………あの、不破くん」

不破「…………………………もー!!笑うなら笑っていいよ!!」

(五年がいるほうを睨み)

名前「でも、なんか、可愛かったよ?」

不破「嬉しくない…」

鉢屋「雷蔵がのぼせてどうするんだ」

(すれ違いざま不破の胸元に拳をあて)

不破「いいよもう…予行演習だったって思うことにするから……」

鉢屋「──さて、次は私の番だな」

名前「…………」

鉢屋「そう身構えなくてもいいだろう。兵助に変装するのは禁止だといわれているんだ、ちゃんと守るさ」

名前「なら、いいけど…」

鉢屋「ああ。変装はしない」

(ぐい、と名前の腰を抱き、耳元に口を寄せ)

名前「ちょ!?」

鉢屋「……好きだ。名前、お前が欲」

名前「や、だっ、やだ、いやーー!!」

(咄嗟に持っていた麻痺針を刺し)

鉢屋「っ!?こ、この……武器はひきょ……」

(後ろから久々知にどつかれ前のめりに倒れる鉢屋)

鉢屋「へ、すけ……おま、え…!」

久々知「……? なんで既に重症っぽいんだ?」

名前「久々知くん!!」

(体当たりする勢いで胸元に飛び込む名前

久々知「え、名前!?」

名前「……う~~~~!!」

久々知「三郎、何したんだ」

鉢屋「……(お前の声を使っただけだ)」

久々知「なんで急に矢羽根なんだよ」

鉢屋「(名前のせいで、痺れて声が出せないからだ!!)」

久々知「…………」

(未だしがみ付いたままの名前を見下ろしつつ、髪をなでる)

鉢屋「(割に合わないぞこんなの!)」

尾浜「──え。中止?」

竹谷「名前がもう無理みたいだな」

不破「結局僕と三郎だけか……」

尾浜「いいじゃん、貴重な体験したって思えば」

竹谷「つーか、あいつ大丈夫か?倒れたっきり動かないんだけど」

不破「仕方ないな…回収してくるよ」

(三人の方へ向かう不破)

黒木「中止ですか?」

竹谷「ぶっちゃけ助かった」

尾浜「八左ヱ門の告白、見たかったなーおれ」

竹谷「何も考えてなかったんだなこれが!」

尾浜「ぶっつけってそれはそれですごいよ」

黒木「尾浜先輩はどんな感じを?」

尾浜「おれ?やっぱ間近でとか…ほっぺにちゅーとか考えてたけど、やらなくてよかった」

竹谷「……雷蔵の時点で兵助のイライラ最高潮だったしな」

黒木「あ、不破先輩が戻ってらっしゃいましたね」

尾浜「三郎のこと思いっきり引きずってる」

不破「誰か解毒剤もってない?」

竹谷「ない」

尾浜「同じく」

鉢屋「(なぜ誰も持ってないんだ!!)」

尾浜「三郎だって持ってないくせに」

不破「医務室行くしかないかー」

黒木「僕、先に行って連絡しておきます!!」





久々知「──名前

名前「……」

久々知「…………好きだよ」

(ぴく、と肩を震わせる)

久々知「好きだ」

名前「………………わたし、も。…………すき」

久々知「それを返すのは、俺にだけだよな」

(頷く名前の頭を抱き寄せる)

久々知「──好きだ」

名前「…………うん」

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