大鐘堂騎士隊員による手記 p.06
▼No.17
続きを書くことにする。
ぼくとクローシェ様以外、地下牢へ連行されることになった。
クローシェ様を部屋へ連れて行くよう言われたのだが、その際一緒に足元に散らばったアクセサリーを拾い集めた。
どうしても、とクローシェ様の頼みだったし、ぼくには御子にかける言葉が出てこなかったから、それに協力することしかできなかった。
集めたものはクローシェ様に預けた。全部揃っていたんだろうか。
部屋へ送った後、クロアを呼んで欲しいと命を受けたので地下牢へ向かった。
途中で総統のところへ寄り、今後の方針を聞いた。
いよいよ神との戦争が本格化しそうな気配だ。
クロアを呼びに地下牢へ降りたが、そのまま引き返そうかと思った。
空気の重さがひどすぎる。
牢とはいえ、クロアはココナと久々の再会だ。
何か話でもしてるんだろうと思ったのに、喜びなんてどこにもなかった。
任務の為と言い聞かせて中へ行きクロアを出した。
複雑な表情のココナにはクローシェ様からの命だと言ったけど、他にも言いたい事があるようだった。
クローシェ様の部屋までの道がとても遠く感じた。
クロアは辛そうだったが、やっぱりぼくはかける言葉を持ち合わせていなかった。
逆に何も聞かないのかと質問されたくらいだ。
…聞かれたかったんだろうか。わからない。
クロアと別れて再度総統のところへ。
呼ばれていたからだが、その場には何故かルカも居た。
出してもらえたのかと安心した直後に行われたルカへの対応が、乱暴すぎて見ていられなかった。
無意識に攻撃しかかったところをジャクリに取り押さえられたようだったが、少しは加減してほしい。圧死なんていやすぎる。
ドクターはルカの反応を見てDセロファンがどうのと言っていた。
ぼくにはちゃんと理解できなかったけど、なんにしても女の子は乱暴にしたり泣かせたりしたらだめだ。
思い出したらイライラしてきた…
実に濃い一日だった。
大鐘堂騎士隊員による手記
836文字 / 2024.04.07up
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