カラクリピエロ

大鐘堂騎士隊員による手記 p.02


▼No.4
総統に連絡を取ったところ引き続き追従しろと命を受けたので、隊長と共に身を潜める。
明日がクロアと約束した日らしいので、炭焼き小屋へ向かうことになった。
隊長は昔からなにかとぼくの世話を焼いてくれる。
(黒く塗りつぶされているが、かろうじて“総統も”とだけ読める)

世間は書いても消せるインクを開発すべきだと思う。
きっと書類に追われる御子も喜ぶだろう。



▼No.5
御子クローシェと再会。
話途中で御子にノートを見せるように言われ、提出した。
出来事についてより細かく、感じたことをもっと書くよう指示を受ける。難しい。



御子の護衛を勤めていたクロア及び彼のパートナーであるココナと久しぶりに会話した。
彼らと一緒に来ていたルカという女性を紹介してもらう。クロアの彼女らしい。驚いた。
クロアと話すことといえば、訓練や任務に関する内容とココナについてくらいだったからだろうか。

そのルカからは大鐘堂について色々と質問を受けた。
ありのまま返答できたと思うが、ルカは少し不満そうだった。なぜだろう。

どうしてか、指がうまく動かない。
けどこれだけは、どうしても書いておきたい。

御子クローシェが倒れたときの驚きは自分でも予想外だった。たぶん、初めての感覚だと思う。
指の先が冷たくなって、胸の辺りが痛くなったような気がする。隊長に肩を叩かれてなかったらどうなっていただろう。

同時期に苦しそうにしていたココナの様子も気になる。
ぼくは彼女に嫌われているらしく、近くに寄らせてもらえなかったけれど。
来るな、という類の言葉を聞くのは慣れているつもりだったのに、何故か苦しくなった。身体の故障だろうか。

ぼくの代わりにルカが声をかけたときは大丈夫だと言っていた。
顔色は全然大丈夫そうじゃなかった。心配だ。



▼No.6
ミント区に到着。総統に連絡を入れる。
御子クローシェなしでもなんとか立ち回っているらしいが、なるべく早く戻るように指示を受けた。

御子に総統の指示を伝えると頷いてくれたが、本当に大丈夫だろうか。



(二重線の下に“御子”と書かれている)クローシェ様…こう呼ぶのは慣れないが、そう呼べとのことなので努力する。
命令じゃないらしいけれど、違いがよくわからない。

ぼくとクローシェ様との付き合いはそれなりに長いので、彼女の考えはなんとなくわかる。
きっと“いやだ”と思っているんだろう。口に出さないのがいい証拠だ。
クローシェ様には言わなかったが、(黒く塗りつぶされている)状況で判断して動こうと思う。


ルカの家でクローシェ様に付き合って料理をした。散々だった。
一日の終わりにクローシェ様からチェックが入ることになった。しばらくは毎日つけることになりそうだ。(黒く塗りつぶされている)、努力しよう。

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