カラクリピエロ

大鐘堂騎士隊員による手記 p.05


▼No.16
事態の中心に巻き込まれている気がする。
総統はおもしろそうに「お前はクローシェにつけ」と言った。
指示がそれだけというのはどういうことなのか。
いざというとき総統はいつもぼくを試そうとする。困った人だ。
それとも言われたことしかやらないぼくが悪いのか…最近余計なことばかり考えている。


昨日のことをまとめておこうと思う。
誕生日=ものすごく忙しい日だからか、クローシェ様のうんざりした顔が印象的だった。
今年はそれどころじゃない事態に見舞われたが。

ルカの意図がわからないながらも、クローシェ様を護るのがぼくの役目だ。
クロアにも頼まれたし。そう思って気合を入れた直後、人の目を盗んでクローシェ様が消えた。
いつも使ってるお忍びルートだろうとあたりをつけて先回りして捕獲。
このときばかりはしっかり注意させてもらった。
不敬だとか、そんなのは二の次だ。

…結局クロアたちを追うことになっていた。なぜだろう。
舌戦ではクローシェ様に勝てる気がしない。

閉まる直前のエレベータに向かってクローシェ様に突き飛ばされた。
確かに騎士は御子のものだけど、もうすこし丁寧に扱って欲しい。
思い出したら挟まれた腰が痛くなってきた。


ぼくにとっては通いなれた道の途中で騎士に絡まれているココナを発見、救出した。
なんとなくぼくへの接し方が変わった気がする。嬉しい。思い込みじゃないことを祈る。

奥の房の前でルカを見つけた。
“レイカ=トゥルーリーワース”…なぜか気になる。
初めて聞いた気がしないのだが、どこで聞いたのかは思い出せなかった。

疲れた。

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